今回も詰め物の下がどうなっているかご紹介します。
右上の真ん中から数えて4番目と5番目の歯と歯の間が黒っぽくなっています。
コンポジットレジン(CR)と呼ばれるプラスチック樹脂が詰めてあります。
この樹脂は波長の短い光で硬化するため、1回で治療を終了できうる素晴らしい材質で、見た目も歯の色のように白っぽい色をしています。
女性の方はネイルをイメージしていただくと分かりやすいかと思います。
実際同じようなものです。
このコンポジットレジン(以下CR)ですが、しっかり見極めて使用しないと、後でとんでもないことになることが、日常臨床でよくあります。
↓矢印の部分のCRを、マイクロスコープを使用して除去していきます。
いつものように患者さんに痛みやしみる、腫れるなどの症状は一切ありません。
隣の歯や健康な歯の部分を削らないように、慎重にCRを除去していきます。
除去したところの状態ですが、
柔らかい部分は全て虫歯になります。
患者さんにこの動画を見せて説明したところ、虫歯になりにくいセラミック治療を希望されました。
隣の歯のCRの下も虫歯になっている可能性が高いことを患者さんに説明したところ、隣の歯も虫歯の大きさ次第ではセラミックをお願いしたいとのことでした。
隣のCRも除去して中の状態をマイクロスコープを使用して確認していきます。
このような状態です。
さらに
こんなに深い虫歯になっておりました。
虫歯の取り残しがないか慎重にマイクロスコープの倍率を上げて見ていきます。
柔らかい部分は全て虫歯になります。
当HPのトップページにも動画を貼り付けておりますが、虫歯を完全に除去するにはマイクロスコープがないとできません。
裸眼やルーペでの虫歯除去は、100%虫歯を取り残します。断言します。
マイクロスコープを使用して全ての虫歯を除去したところ、幸運なことに歯の神経まで細菌は侵入しておりませんでしたので、今回は歯の神経を温存することができました。
最終的な詰め物は、長期的に最も虫歯になりにくいことが世界中の論文で示されているセラミック治療を選択しました。
セラミックを装着するとこのようになります。
比較写真ですが、
このようになります。
今でも患者さんから
・プラスチックで治してほしい
・ハイブリッドで治療してほしい
・セラミック以外の治療はないのか
という要望・質問をいただきます。
結論から申し上げますと、当院ではCRを詰め物として使用しません。(特に奥歯)
理由は、今回のCR、ハイブリッド、CAD /CAMといった材質ですが、歯の硬さに比べて1/10くらいしかありません。
その結果、この詰め物は非常に欠けたり割れたりしやすいです。
また、毎日使用する歯磨き粉の研磨剤でも削れてくるので、削れた部分にプラーク(細菌のかたまり)が非常につきやすくなります。
またプラスチックは水を吸って劣化します。
こちら↓は私が使用しているプラスチック製の計量カップです。
ご覧のように劣化しまくっております。
このようなプラスチックを、固いものや柔らかいもの、温かいもの、冷たいもの、酸っぱいものなどいろいろなものが入る口の中に使用する材質としては適切ではないのは少し考えれば分かっていただけるかと思います。
歯と爪は用途も特性も全く違うのです。
歯は爪と違って再生しません。
歯はなくなると食事ができなくなります。 つまり生命と関連するのです。
このCRが欠けたり劣化したところには、口の中のバイキンは簡単に中に侵入できてしまいます。
つまり、いくら歯磨きしても虫歯になってしまうということなんです。
いくら努力しても報われないことほど悲しいことはないですよね。
私もそんな努力は続けることはできないです。
そろそろ無意味な治療をやめにしませんか?
虫歯になるものにお金をかけても仕方ないですよね。
患者さんは歯の素人のため、いろいろな噂話やネットの情報なんかを鵜呑みにしてしまうことがあります。
噂話や誰が書いたか分からないネットの情報と、私が今まで目の前の患者さんをより良くしようという思いで、時間とお金と労力をかけて学んで経験してきたこと
どちらを信じるかはみなさんに任せます。
1つだけ言い切れるのは、当院は患者さんの歯のために全身全霊を尽くします。
セラミック治療は見た目がキレイになるのは当然なのですが、「現時点で一番虫歯になりにくい」のが最大の利点です。
患者さんは「きれいになった」と、とても満足されていました。とおっしゃっていました。
しっかり治療することで、5年後・10年後の患者さんの人生は大きく変わるかもしれません。
セラミック装着後も慎重に経過を観察していきたいと思います。
当院では非常に精密な診療を1人の患者さんに対して長時間行なっているため、手が離せず電話に出られないことがあります。
その際は留守番電話にお名前・電話番号・ご用件のメッセージを残していただくようお願い致します。
ご不便をおかけすることがありますが、どうぞ宜しくお願い致します。
もしご自身の歯のことで相談したい方がいらっしゃったら、当院では現在1ヶ月に10名までは無料相談させていただいております。
現在診療時間内の予約が数ヶ月先まで埋まっておりますので、診療時間外の時間で相談させていただいております。
相談希望の方は当院までお電話か問い合わせメールをお願い致します。留守番電話になればお名前・電話番号・ご用件を入れていただければ、あとでこちらからご連絡させていただきます。
実際に診査診断を希望される場合は、別日に来ていただいてお口の中の資料どりさせていただきます。(現在税込6600円頂いております)
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