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自分の歯をできるだけ持たせる

今年1年 まもなく終わりとなります。

どの仕事もそうかもしれませんが、歯科では12月が最も忙しい時期になります。

当院も朝から夜までほぼ休みなく診療し続けました。

この年末年始の数日だけが診療から解放される時期になります。


私は1年間の360日ほどは歯科のこと・患者さんのことをずーっと考えております。

これは歯科医師になった時から今までずっとです。


今年最後の投稿は「自分の歯をできるだけ持たせる」というテーマです。


患者さんは「右上の前歯を綺麗にしたい」ということで当院を受診されました。



右上の前歯は、裏側が金属になっている 前装冠(ぜんそうかん)と呼ばれる いわゆる差し歯になります。




かぶせものを外すと金属の土台が入っており、金属は歯が割れる可能性が上がるので、当院では基本的に金属の土台は除去します。




金属を外して中の状態を見ていくと、







歯の一部に穴が空いております。



最初の写真を見ていただければ分かるのですが、歯ぐきの一部が腫れています。

歯ぐきが腫れていた原因は恐らくこの穴が原因です。





教科書的には抜歯になりますが、当院ではできるだけ自分の歯を持たせることに全力を尽くしますので、患者さんと相談したところ、できるだけ歯を残す治療を希望されたため、行いました。




空いている穴の部分にMTAセメント という最も治療効果がある薬剤を詰めます。


レントゲンの写真は↓こちらになります。

薬剤が詰まっているのが分かるかと思います。


その後、数ヶ月問題がないことを確認したのち、歯が最も割れにくい ファイバーポストという土台を入れます。







最終的なかぶせものは、長期的に最も虫歯になりにくいことが世界中の論文で示されているセラミックの説明をしたところ、患者さんはセラミックを希望されました。



セラミックを装着するとこのようになります。




歯ぐきの腫れもおさまり、経過順調でした。


セラミック装着後、10ヶ月ほど何もなかったのですが、「歯が揺れてきたので見てほしい」と連絡をいただきました。






歯が割れています。


この患者さんには最初の段階で説明していたのですが、歯が割れやすい過蓋咬合なんです。


基本的に歯が割れると抜歯になりますが、なんとか残す方法も存在します。

方法としては、ルートエクストルージョン という歯を矯正で引っ張り出してきて、割れているところを切除し、無菌化した上で再度かぶせものを装着しますが、この噛み合わせではまた割れるリスクがあるので、歯をできるだけ持たせるには矯正治療が必要なことを何度か説明しました。


患者さんはよく考えた上で矯正治療を選択されました。


順番としては歯を引っ張り出してきて、仮歯を装着します。

その後 矯正治療を行い、理想的な位置に歯がそろったところで仮歯を本歯(セラミック)に交換します。








この患者さんは 現在、仮歯を装着した段階で、2025年に矯正治療をスタートする予定です。


歯を持たせるには かみ合わせ・歯並びの深い知識が必須になります。

歯科において、矯正治療を行わず長持ちする歯科治療をすることはできません。

ひらがなを知らずに日本人として生きていくようなものです。


今後も 当院では患者さんのより良い治療を行うため、歯科の勉強・研鑽を続けて参ります。


当院では非常に精密な診療を1人の患者さんに対して長時間行なっているため、手が離せず電話に出られないことがあります

その際は留守番電話にお名前・電話番号・ご用件のメッセージを残していただくようお願い致します。

ご不便をおかけすることがありますが、どうぞ宜しくお願い致します。


もしご自身の歯のことで相談したい方がいらっしゃったら、当院では現在1ヶ月に10名まで無料相談させていただいております。


現在、治療の予約が数ヶ月先まで埋まっており、2025年2月中旬ごろまで予約が埋まっております。

診療時間外の時間で相談させていただいております。


相談希望の方は当院までお電話か問い合わせメールをお願い致します。留守番電話になればお名前・電話番号・ご用件を入れていただければ、あとでこちらからご連絡させていただきます。

実際に診査診断を希望される場合は、別日に来ていただいてお口の中の資料どりさせていただきます。(現在税込6600円頂いております)


2025年は1月4日から診療開始となります。


みなさま良いお年をお過ごしください。


















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